松徳会

日本女子体育大学

創設者の言葉

40余名、日本全国からどんな顔をしてどんな様子をして来られるだろうと思うと、何だか涙ぐましい可愛さに胸が躍ります

ご挨拶

  歴史ある女子体育の旗艦大学に赴任して
                              日本女子体育大学  学長  深代 千之


  例年ならば、桜と新緑が美しい季節ですが、今年は新型コロナウイルスの影響で重苦しい春となりました。私は以前、本学の非常勤講師を勤めた経験があり、また学生・院生そして教員として「体育」を土台に生きてきたので、本学から誘いがあった時に喜んでお受けし、本年度に赴任しました。
 近年の電気化・機械化・情報化がもたらす社会環境の急激な変化は、私たちに日常生活の作業軽減と便利さを享受させる一方、普通の生活だけでは運動不足と栄養過多による不健康という代償をもたらします。それに対応できるのが、サステナブルな健康をめざして身体運動を理論と実践で支える、教養としての体育です。本学は、女子体育における我が国の旗艦大学として社会に適合しながら発展し、2022年に創立百周年を迎えます。それに先立ち、本年度より体育学部の4専攻を改編し、新たに4学科を開設しました。学生は、これまで以上に専門的で高度な学びと研究ができるようになります。
 私は、歴史と名誉ある本学の特徴を尊重し、Society5.0なども踏まえ、本学百周年に向けて、さらに発展させるように努力していく所存です。現在、新型コロナ対策でe-Learning(テレビ授業)の準備を全教員が行うなど、教員と学生の教育・研究環境の充実に励んでいます。そのため、松徳会の皆様のお力添えを賜りたく存じます。今後とも相変わらぬご支援ご協力のほど、よろしくお願い致します。
  

ご挨拶

       理事長就任の重み
                            学校法人二階堂学園  理事長  石﨑 朔子

 

  この度6年に亘る学長職をこの3月31日に大過なく終了する事が出来安堵しております。
 顧みれば1966年に入学し、1970年に卒業と同時に助手となり本学の関わりは半世紀を過ぎておりました。この間卒業生の皆様には大所高所からご指導とお励ましを頂きました事心から感謝申し上げます。
 実は4月1日の定例理事会におきまして二階堂学園理事長に就任いたしました。これまで小林敬冶理事長のもと学長を務めておりましたが、今後は2つの高校・2つの幼稚園と新設の附属保育園の経営責任者となれば、少子化に向かう今日、理事長としての任は重く間違いは許されず、いまさらながら大変な重責を感じております。
 まずは百周年に向けレガシ―となるべく立派な建設を成し遂げ、将来に亘って存続し続ける魅力ある大学、そして学園として努力して参る所存です。
 卒業生の皆様におかれましては今後ともお力添えを頂きたく宜しくお願い申し上げます。

大正時代、いわゆる大正デモクラシーの気運の高まりの中で、数名の傑出した女性リーダーが現れ、今も大活躍している女子大学を創立されました。彼女達の共通した思いは、我が国の女性の社会的地位の向上にあったと思われます。その一人として二階堂トクヨ先生がおられたことは、周知の通りです。
 大正11年、代々木の地に先生の手によって二階堂体操塾が創立され、その後幾多の変遷を経て、日本女子体育大学へと発展して参りました。「体育の世界へ女性リーダーを送り出すことで、女性の社会的地位の向上を目指す」という先生の思いは、今日の大学へも引き継がれています。
 一方、我が国は、明治以来約150年の間に大きな変貌を遂げています。人口は明治初期の約3000万人から大戦を経て一時1億3000万人近くまで増加し、近年人口減少に転じ、やがて1億人を割りこむことが想定されています。18才人口も第1次ベビーブームの約250万人、第2次ベビーブーム(平成4年)の約205万人から平成31年には177万人にまで減少し、さらに減少をし続け、やが100万人を切るに至ることが明らかになっています。このようなダイナミックなうねりの中に、今もなお学園はいることを念頭に置かなければなりません。
 大学入学式の栞に記されているトクヨ先生の言葉として、『東洋人の美の標的は「花鳥風月山水」だが、西洋人のそれは「人体其の物」である』との記述があり、当時の時代背景を端的に表現したものと感慨深く受け止めていますが、この点には大きな変様があったとはいえ、平成から新しい令和に変わった現在、さまざまな分野で女性の社会的活躍が待たれているところです。学園としては「古い皮袋に新しい酒」の精神で、これからの難局に当たって参りたいと考えています。最後になりましたが、学園創立100周年記念事業寄付をよろしくお願いします。


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