基礎体力研究所

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2015年度第26回研究フォーラム

「社会と共創する研究の展開」

11月28日(土)に附属基礎体力研究所の第26回公開研究フォーラムが開催されました。本研究所においては現在「研究所の特性を生かしつつ、社会的なニーズに応える」ことを目標に研究活動を推進しているとのこと。今回のフォーラムはまさに「社会と共創する研究」をスポーツ健康科学領域で展開している専門家を招き、お話をして頂きました。当日は学内外の研究者、学生を含め150名が参加し、大変有意義な時間になりました。

セッションⅠの基調講演では、東京大学大学院の石井直方教授が、「筋の肥大と委縮―メカニズムを知ってトレーニングする―」をテーマに講演。現在ではメジャーになった加圧トレーニングやスロートレーニングの理論的背景や効果、筋力トレーニングと持久的トレーニングの組み合わせ方などについて、最新のデータを紹介していただきました。日々トレーニングに励む本学の学生も、熱心に聞き入っていたことが印象的でした。石井教授の研究は、生活習慣病やサルコぺニアの予防にも有効であるとのこと。まさに研究成果が社会に還元されている事例ではないでしょうか。

セッションⅡでは基礎体力研究所の研究員3名が、成果発表を行いました。井筒准教授は「這い這い動作の発達学的研究」と題し、這い這いの必要性や身体諸機能との関連性を言及。佐藤准教授は「三鷹市高齢者健康保持教室」の15年に渡る歩みを振り返るとともに、この教室で測定された脳血流、免疫機能、筋機能のデータを紹介。大槻助教は「月経周期に伴う脳血流および血管拡張機能の変化」と題し、月経周期に伴う女性ホルモンの変動が脳血流調節・血管拡張機能に与える影響についてお話されました。

またセッションⅢでは、陸上競技やトランポリンで数々のオリンピック選手のコンディショニングサポートをしている三重大学教育学部の杉田正明教授が「トップアスリートから学ぶスポーツ・コンディショニング」をテーマに講演。今アスリートの持久力アップや疲労回復に、中性脂肪(EPA)の摂取が有効であるということ。パフォーマンスの向上には、体を温めて試合に臨むことが効果的であるということが紹介されました。最後に、本学の沢井史穂教授が「データに基づく健康づくりのための運動プログラム」と題し、筋をバランスよく刺激するためのダンスプログラムについて実験データをもとに紹介。また、過度にトレーニングを実施している人への警告も含め、説得力のある講演でした。

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