基礎体力研究所

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第56回談話会:2018年1月17日 17:15〜

「保育施設における生命尊重の心を育む動物介在活動-移動動物園の活動事例を中心に-」
…百瀬 ユカリ 先生(日本女子体育大学・教授)

第55回基礎体力研究所談話会が1月17日に行われました。今回のゲストは、今年度より本学に着任されました百瀬ユカリ先生です。百瀬先生は、「保育学・幼児教育学」をご専門とされ生命尊重の心情を育む保育をテーマとして、保育活動及び保育者養成課程に必要な内容について研究されてきました。中でも、幼児が動物とのふれあいの中で得る学びに対して、幼稚園や保育所で行う動物飼育のように身近な関わりの影響をまとめられています。
今回の談話会では、これまで先生が取り組まれてきた、研究協力園(認定こども園)での移動動物園の活動について動画を交えながらご紹介いただき、小動物とのふれあいの中で幼児らが得る学びや、動物介在活動の意義や必要性についてご説明していただきました。
動物に対する反応は年齢によって異なり、3歳児クラスの園児では、飼育ケース内の動物を楽しそうに「かわいい」「こわい」と言いながら観察できるが、実際に餌やりなどになると怖くて近づけない子が多いのに対し、4歳児になると恐る恐るではあるがイグアナやハリネズミに触れることができ、すぐに慣れて余裕の表情がみられる。5歳児クラスになるとヘビを見て「こわい」「やだ」と言いながらも保育者が持っているヘビに触れたり、首に巻いたりすることができる。しかし中には、これまでに生きた動物に触れる機会がなかった園児たちは、なかなか動物に近づくことができず動物の周りの輪から離れ遠くから眺めていた。しかし、保育者が援助することにより少しずつではあるが動物に触れることができた。
このような移動動物園の活動において子どもと動物の関わりが、思いが通じる喜び、自分の思い通りにならないことがあるということ、相手(動物)のことを考えながら自分より小さい弱い存在に対して思いやりの気持ちを持つことを通して、命の大切さについて気づく機会になるのではないかとまとめて下さいました。また保育者養成課程を受講する学生たちも動物との関わりで子どもたちが短時間で成長すること、自分たちにとって「知っていて当たり前」が子どもたちには当たり前ではないこと、保育者の援助の大切さについて気付くきっかけになることも報告していただきました。
当日は、多くの先生方、大学院生、学部生が参加して下さり、多くのご質問と活発な議論が行われました。とても興味深いお話をして下さった百瀬先生ならびに談話会にご参加下さいました皆様に心より感謝いたします。