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創作指導を支える舞踊観を深めるために

髙野 美和子(舞踊学)

私の本学での研究は、大学院時代にスタートしました。当時の研究内容は、即興で踊ることについて、経験豊富なダンサーの即興ダンス時のコツを探るというものでした。この研究で得られた知見は、本学ダンス学科の即興の授業や研究室でのコンテンポラリーダンス創作指導のベースとなっています。

現在の研究テーマは、日本の現代舞踊の礎を築かれ、本学でも終戦直後から長期に渡り教員としてダンスの指導にあたられた江口隆哉先生の1960年代の舞踊観についてです。私の研究室で指導するコンテンポラリーダンスは、決まった動きの型が無く、新しい手法、コンセプトを生みだしながら常に時代とともに変化し続けるダンスで、江口先生が実践指導された現代舞踊と同じルーツを持つダンスです。情報が溢れ変動の激しい現代において、何をもって良い作品とするのか、学生を導いていく上で悩むこともしばしばです。

そんな中、日本の現代舞踊が新しい海外のダンスや前衛的なダンスの出現でダイナミックに変動していた1960年代に、江口先生が執筆された研究誌や文献資料を参照すると、創作舞踊を指導する上での有益なヒントを様々な次元で発見でき、自身の創作指導を支える舞踊観を深める助けとなっています。

江口先生についての研究は、本学名誉教授の金井芙三枝先生、卒業生の桑原和美先生、坂本秀子先生をはじめ様々な研究者によって既になされています。それらの貴重な資料や江口先生ご自身が執筆された文献資料が本学の図書館に揃っています。この豊富な資料のある環境で研究できる幸せを噛みしめながら、ここから得られた学びを本学の学生指導に存分に役立てていきたいと考えています。

2021年度卒業公演 髙野美和子研究室作品『Sein(ザイン)(存在)』

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