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私が私になる過程~一般的な法則性と個人差~

三好 昭子(教育心理学、青年心理学、人格発達心理学)

私はアイデンティティがどのように形成されていくのか、つまり社会の中で自分が何者であるのかを自覚していく過程について研究しています。アイデンティティとは自分についての自信、誇り(プライド)や、社会における責任感、使命感、生きがい感を含む概念です。まだ自分のアイデンティティが確立されていない大学生にとっては抽象度の高い難しい概念であり、一番気になるところでもあります。

通常、心理学では質問紙調査によってアイデンティティを数量的にとらえ、全体の平均像を示し、アイデンティティ形成の一般的な法則性を探ります。しかしそれだけでは、「私の場合は?」という質問に十分に答えられません。面接調査によって個人に焦点をあて、アイデンティティ形成について質的に検討することも可能です。しかしその人がその後どのような一生を過ごすかはわからないのです。そこで私は歴史的な人物の伝記資料に基づいて人間の生涯発達を研究するという伝記研究に取り組んでいます。人間を丸ごと、生涯のスパンで扱い、アイデンティティの形成過程を明らかにしようとする方法です。

本学では保健体育科の教員を目指している学生が多いため、教員として児童・生徒にかかわることは、子どもたちのアイデンティティ形成にかかわることであると説明しています。教員としての自覚を促し、学生たちが常に目の前の児童・生徒たちの生涯発達を念頭に、一人一人のアイデンティティ形成に寄り添うことができる教員になれるよう、私はアイデンティティの理論と実践をつなぐ研究を行っています。

ぜひ自分の好きな歴史上の人物の伝記を手に取ってみてください。
そこに描かれているのは,我々とは違う偉人ではなく,同じ葛藤を抱えた人間であることがわかります。

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