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実践場面と接点を持つ研究の冥利

石塚 浩(スポーツ運動学、スポーツトレーニング学、陸上競技指導方法論)

馬齢を重ね、還暦も過ぎ、新たな研究への挑戦よりも、これまでの研究をいかに現場に生かすかが、現在の課題である。

大学院在学時代より専門領域としている「スポーツ運動学」と「スポーツトレーニング学」は、時代の流れもあり、学習指導要領の中に組み込まれ、スポーツ庁の一つの施策に有効に機能しつつあると感じている。例えば、スポーツ運動学の場合、体育に関わる知識について、「言葉や文章など明確な形で表出することが可能な形式知だけでなく、勘や直感、経験に基づく知恵などの暗黙知を含む概念であり、意欲、思考力、運動の技能などの源となるものである。」(中学校学習指導要領解説保健体育編p.4)という表記がなされている。一方、スポーツトレーニング学の「タレント発掘」は、日本陸上競技連盟が展開している「ダイヤモンドアスリート(以下:DA)」に結びついている。

DAは、日本を11地区に分け、各地区にタレントマネージャーを配置し、「タレント」に関わる情報が集約されるシステムを取っている。さらに、その中から厳選された選手がDAとして認定を受け、さらに、日清食品の安藤財団の支援も受けられるようにしている。このDAに選ばれた選手が2020年東京五輪の時に、きっと国民に「勇気と感動」を与える存在になると「勘」が働くとともに、多くの関係者の暗黙知でもある。

我々が共有している暗黙知が実証されて、時間の経過とともに形式知としての認知を受けるのには、あと数年の我慢が必要である。

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