第20回舞踊学専攻卒業公演が開催されました

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4年間の成果を一つの舞台へ

1月21日(金)、舞踊学専攻の4年生による卒業公演が、府中の森芸術劇場「どりーむホール」で開催されました。卒業を間近に控えた学生にとって、これが大学生活最後のステージ。4年間積み重ねてきた修練の成果を披露し、新たな門出を迎えます。今年は新型コロナウイルス感染症拡大による蔓延防止措置を受け、完全無観客開催によるオンライン上演となりました。

深代千之学長は本公演の開催にあたり「学生たちが公演会を成功させるために日々企画を検討して練習している姿を拝見する度に、その様子に喜びを感じています。私自身昨年初めて本公演を鑑賞しましたが、研究室ごとに動作や衣裳、そして音楽が工夫され、演題ごとに創作された世界観に引き込まれ、魅せられました。学生たちの4年間の学びがどのような形で表現されるか注目し、観賞してほしいと思っています」と、メッセージを贈っています。

続いて、ダンス学科長の八木ありさ教授が登場。「入学以来4年間にわたって磨き続けてきた学生たちの成果を発信する公演です。20回目という節目を迎えた公演ですが、感染対策というたくさんの制限を乗り越えながらの厳しい道のりでした。完全無観客開催となり落胆もありましたが、だからといって4年間の価値が消えてしまった訳ではありません。ぜひ画面の向こうで最後の瞬間まで目撃し、応援してください」と思いを述べました。

4年生有志による3作品

第一部では、舞踊学専攻の生徒たちによる有志作品を上演。研究室の垣根を越えてオーディションに挑み、今年は3作品が通過しています。

幕開けに上演されたのは『BAWSY(バウシー)』。ダンサブルなストリート作品で、冒頭から力強いパフォーマンスで圧倒します。切れの良いステップとリズム、ちらりとみせるセクシーなテイストで目を奪い、最後までスピード感を絶やさず舞台を一気に駆け抜けました。

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『BAWSY(バウシー)』

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2作目はモダンダンス作品『心の扉』。映画『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』をモチーフに、大切な人との突然の別れを描きます。作中は踏切音やクラクション、靴音など日常音を効果的に導入。届かない何かに手を伸ばし、ひりひりとどこか切ない余韻を後に残しました。

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『心の扉』

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第一部のラストは『未レ視(イマダミエズ)』。板付きからの暗転と劇的な演出で観客の目を釘付けにする冒頭。薄闇に包まれたステージにスポットを生かした転換、瞬くライトと演出の工夫が光りました。5名のダンサーが次々あらわれてはソロに群舞、パートナリングと予想を裏切る展開をみせ作品世界に引き込みました。

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『未レ視(イマダミエズ)』

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各研究室がオリジナル作を発表

第二部・第三部では、各研究室が自作を披露。今年は計6作品が上演されています。

まずは、髙野研究室の『Sein/存在(ザイン)』からスタート。幕開けと同時にむくりと床から起き上がり、大地を踏みしめる女性たち。それは原始の風景のようであり、ある種の儀式のようであり、そうかと思えばコミカルな味わいも潜ませる。考え抜かれた振りと音楽、緩急付けた構成で一つのドラマを見事に築き上げてみせました。

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髙野研究室『Sein/存在(ザイン)』

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続いて発表されたのは、渡辺研究室の『黎明』。クラシックチュチュをまとったダンサーが登場し、優美なバレエの世界へ誘います。作中はフェッテにグランジュテとクラシック・バレエのテクニックを駆使。スピーディなポワントワークと洗練されたラインでクラシックの魅力を大いに堪能させました。

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渡辺研究室『黎明』

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松山研究室の『Rising』は、オブジェを大胆に用いた意欲作。独創的な動きと楽曲使いに、オブジェがくす玉のように花開く演出も実にユニーク。たっぷりの遊び心と若々しいエネルギーをふんだんに盛り込み、唯一無二のステージを繰り広げていきました。

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松山研究室『Rising』

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続いて披露されたのは石川研究室の『unpuppet/アンパペット』。真紅の台座に天井に揺らめくシャンデリア、スモークがふわりと漂うステージと、まずは幻想的なビジュアルで観客を惹きつけます。衣裳の変換で意表を突き、楽曲の高まりと共に動きの精度もスピードアップ。ユニゾンの妙も実に楽しく、感度の高い作品に仕上げていました。

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石川研究室『unpuppet/アンパペット』

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岩淵研究室の『断続する平行』は、流れるようなオープニングとフォーメーションが印象的。ひたひたと地に吸い付くような動きが際立ち、磨き抜かれた身体性を生かしテーマを全身で体現していきました。

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岩淵研究室『断続する平行』

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坂本研究室の『Iris(アイリス)〜苦境の果て〜』はダイナミックな群舞作。美しくしなやかな身体のつらなりで、情緒豊かにテーマを表現します。後光が差すステージは厳かであり、どこか一筋の希望を感じさせ、壮大な世界観を描き出していきました。

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坂本研究室『Iris(アイリス)〜苦境の果て〜』

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4年生全員でエンディング

エンディング作品は『if. 』。出演者全員が舞台に登場し、4年間支えてくれたすべての人へ感謝の気持ちを伝えます。共に力を合わせ、苦難を乗り越えてきた学生たち。その光輝く笑顔を残し、第20回卒業公演は無事幕を閉じました。

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