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教員系
保育士

(下記参照)

社会福祉法人なごみ福祉会 なごみ保育園


大切なのは子どもを笑顔にしたいという気持ち
子どもと一緒に保育士も共に生き、共に育つ


<2020.10収録>

菅原 依子 園長 (1989 年 日本女子体育短期大学保育科卒)
大塩 沙絵(2017 年 幼児発達学専攻[現子ども運動学科]卒)
湯川 華子(2017 年 幼児発達学専攻[現子ども運動学科]卒)

モダンダンスに打ち込んできた中学高校時代(大塩)

私は幼稚園児の頃から、自分が母親になった気分で2人の弟のお世話をすることが好きで、積極的に面倒を見ていました。また、幼稚園の先生たちが大好きだったこともあり、小学生の頃には既に、将来は幼稚園や保育園の先生になりたいと思っていました。その後、中学時代にはモダンダンスの全国大会にも出場し、高校は強豪校である日本女子体育大学附属二階堂高校に入学。その時点で高校卒業後にニチジョに進学すれば、将来保育士に近づけることもわかっていたので、高校3年間はダンスに没頭して技術を磨きました。

ニチジョで印象深いのは、実習前の3年次に、附属みどり幼稚園に週1回のペースで通い、子どもたちと接したことです。自分で指導案を考えて子どもたちの前に立つと、良くも悪くも反応がよくわかります。また、別の学生が考えた指導案の工夫や優れている点、実際の効果などを肌で感じることもありました。そうやって自分の指導案の振り返りや、周囲との比較をすることで、座学だけでは学びきれない多くの収穫があったのです。これは、附属の幼稚園があるからこそ経験できたニチジョならではのメリットだったと思います。

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大人の笑顔が子どもを笑顔にする(湯川)

私は高校時代に野球部のマネージャーを務め、誰かをサポートするやりがいを知ったことで、将来も人を支える仕事に就きたいと思うようになりました。通っていた幼稚園に大好きな先生がいたので幼稚園の先生になりたい気持ちもあったのですが、より強く子どもの成長をサポートする保育士という職業に就きたいと思うようになりました。

ニチジョでは森田先生のゼミに所属し、小学生を対象として泊りがけで行うサマーキャンプの補助を経験しました。キャンプでは、どうすれば子どもたちの心に響く行動や言葉がけができるのか、実践を通して学ぶことができました。ある程度進め方などが決まっている実習とは違った成果があり、子どもが笑顔で楽しむためには、サポートする側の学生も笑顔で楽しみながら接する必要性があるといった気づきもありました。自分の課題に気づくことができ、その後の勉強の起点にもなったと思います。

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子どもが好きだからこそ、広い視野で接したい(大塩)

保育士になってからは、1年目に1歳児、2年目に2歳児、3年目は4歳児、4年目になる現在は5歳児を担当しています。常に意識していることは、その時々で子どもたちに寄り添い、一人ひとりに合う遊びや学びに導くこと。子どもたちができることややりたいと思うことは、年齢はもちろんのこと、月齢によっても変化してくるものですが、1年ずつ年齢を上げながら担当してきた中で、実践を通じて段階的に知識やノウハウを充実させてこれたと思います。試行錯誤の繰り返しではありますが、子どもの成長を間近で感じられることや、保護者のあたたかみがやりがいになっています。

また、保育士の仕事は、直接的に子どもと接する保育ばかりでなく、保育記録の作成やご家族からの情報収集、職員間での連携などさまざま。やるべきことはたくさんあり、日々多くの業務に追われる面もありますが、もちろん最優先すべきは保育です。だからこそ、「子どもが好き」という気持ちが何よりも大切だと、あらためて感じているのですが、かといって「かわいい!」「大好き!」と前のめりになるだけでは不十分。私は涙もろく、子どもの成長を感じるたびに涙腺が緩んでしまうのですが、子どもの安全を守りながら楽しく過ごしてもらうためには、ときには俯瞰的に子どもを取り巻く状況を客観視することも重要だと考えています。そこで意識しているのが、周囲の保育士やご家族にも相談をして多様な意見に触れること。そうすることで、子どもたち一人ひとりに最適な関わり方が見えてくると思っています。

子どもの頑張りの背景や経緯も含めてできた喜びを共有できるように(湯川)

就職後は、1年目に4歳児、2年目に5歳児、3年目に3歳児と担当を経てゆき、4年目の現在も3歳児クラスを担当しています。当園は年齢別の活動に加え、3・4・5 歳児が一緒に過ごす縦割りでの保育を行っており、兄弟を同時に見ることもあります。大切にしていることは、日々の関わりの中で子どもたちと気持ちを共有することです。例えば、子ども同士のトラブルが起こった時には、その場だけを見て判断するのではなく、そうなってしまった過程とそれぞれの気持ちをしっかりと受け止め、共感することを大切にしています。それが、私と子どもたちの間に信頼関係を築くチャンスにもなると思うからです。

一方で、ご家族ともしっかりコミュニケーションを取り、家庭での様子を把握しようと努めています。子どもたちの園での様子だけを見て対応するのではなく、家庭でどのように過ごしているかを把握した上で対応すべきだと思うからです。子どもが何か新しいことができるようになったとき、保育園での練習を含め、今までの頑張ってきたことが形になる瞬間だと思うので、その喜びを子どもや保護者と共有し、成長を一緒に見守っていきたいと考えています。

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コミュニケーション能力の基本は、挨拶(大塩)

私が勤務するなごみ保育園の魅力のひとつは、園長先生をはじめとした経験豊富な先輩方が、私達保育経験の浅い保育士たちの意見を引き出そうとしてくれることです。長年にわたって当然のように続いてきた業務手順に対しても、改善案などを発信しやすい雰囲気をつくってくれています。指示に従うだけではなく、自分たちが挑戦してみたいことを後押ししてくれるのです。実際に記録方法の改善など、運営面で反映させてくれている部分もあります。

こうした現場を見て思うのは、挨拶や返事など、人としての基本的なコミュニケーションを徹底させることの大切さです。それが相手に自分の思いを伝えたり、相手の考えを聞いたりと、業務において円滑にコミュニケーションを進める際の大前提となるからです。そうした力を存分に磨けるのは学生時代。実習などで子どもと接する時間だけではなく、部活動やサークル、アルバイトなどでも意識すれば培われるものです。またニチジョでは、部活動などに所属していなくても、日常的に運動をしながら勉強もして、心身ともに健康的な生活リズムができあがっていく点が魅力。ニチジョで身につけた健全な生活習慣は、社会人になってからも大いに役立つものだと実感しています。

積極的な対話と行動が未来を切り開く(湯川)

保育士は、子どもと過ごすだけではなく、保護者などの多くの大人、社会人との関わりの中で仕事を進めていくものです。他者の考え方に触れることで、自分の考えや行動もよりよいものになっていくのだと思います。そこで学生時代におすすめしたいのは、多くの人と関わることで視野を広げ、一度将来の選択肢を広げてみることです。その上でやはり保育士を目指すのなら、人から聞いた話だけで保育士という職業を理解しようとするのではなく、少しでも興味を持ったその気持ちを大切にして、積極的に行動してみることが大切。学校でも実習などがありますが、個人的に園の見学依頼などをする中で見えてくることもあると思います。「大歓迎」の園もあれば、「見学はお断り」の園もあるかもしれません。そうした対話の中で魅力的な園を見極める力が培われ、就職活動にも活かされると思うのです。

今後の目標は、子どもたちや保護者、先輩保育士などとの関わりの中で得られた気づきを積極的に発信し、より過ごしやすく働きやすい環境づくりにつなげていくことです。現在は若手保育士の意見を集めて職員会議で発表する役目を任されており、より園の魅力を大きくしていきたいです。

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子どもに共感し、感動をもらいながら一緒に保育士も育つ (菅原)

大塩さんは、自分の考えを順序立てて論理的に説明できる点が魅力です。ダンス経験もあって立ち姿が美しく、表現力も高いので、リズム活動や体操の時間には子どもたちにいいお手本を見せてくれています。湯川さんは、じっくりと周りを見ながら物事を考え、慎重に言葉を選んで意見を述べるタイプ。自分の考えをしっかりと言葉にできるほか、とても落ち着きを感じます。同じニチジョ出身の2人ですがタイプは違います。同じように子どもたちだっていろいろなタイプの子がいます。保育士もさまざまな個性で子どもたちに向き合い、いろいろな角度から子どもを見ながら成長をサポートすることが園としても理想的なのです。完璧な保育士なんていませんし、多様な保育士が協力しながら現場で学び合い、ときには子どもの笑顔に支えられ、子どもから感動をもらいながら、保育士も保護者も一緒に育っていけばいいと思うのです。だからこそ、なごみ保育園では保育理念に「共に生き、共に育つ」を掲げています。

大切なのは、何よりも子どもを笑顔にしたいという気持ち、子どもが好きという気持ち。そして、心の強さや安定感です。もし自らの行動や周囲からの言葉で「自分は失敗してしまった」と感じる瞬間があっても、それでへこたれない打たれ強さを身につけてほしいと思います。その点、失敗が許されるのが学生時代です。いろいろな経験をする中で失敗から立ち上がる方法を見つけ、対応力も鍛えられるでしょう。そして、自分が失敗した経験があればこそ、何かに失敗してしまった子どもに接する際にも活かされるものです。保育は、失敗しない子どもを育てることが目的ではなく、失敗した時にどう立ち上がるか、どう周りに助けを求めるかをたくさん経験できることが大切と考えています。そのためには、いろいろな経験を通じてしっかり自己肯定感を身につけられることも大切になります。ニチジョの学生はスポーツなどで鍛えられ、失敗しても前向きに明るく行動できる資質があると思いますので、保育の現場でも大いに活かしてほしいと願っています。

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