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ボディバランストレーナー

柴田 郁恵(2005年度・舞踊学専攻卒)

フリーランス


カラダのこと、学んだり、学ばせたり。

柴田さんは、大学生の頃から子ども達にダンスを教えるなどの活動をしていて、卒業後もフリーのインストラクターとしてフィットネスクラブなどで活躍してきました。結婚して子どもができ、ママとして働き続けるために、働きかたのスタイルを見直すことにしました。
<2016.05収録>

ボディバランストレーナーってどんな仕事ですか?

トレーニングを始めたいけどどこに行ったらいいかわからない人に、身体の悩みや生活環境とかいろんなことをヒアリングしながら、その人に合ったエクササイズを提案したり、自分自身で身体のバランスを整えられるようにアドバイスしています。

どうしてそういう仕事をしようと?

これまでインストラクターとして10年間身体を動かし続けてきましたが、子どもができたのをきっかけに、自分が身体を動かさなくてもできるような仕事も持っておきたいと思ったからです。これまでの運動指導の経験を活かして、何かお役に立てないかと考えました。

最初はフィットネスクラブに就職したのですか?

就職はしませんでした。2006年に舞踊学専攻を卒業して以来、ずっとフリーでインストラクターをやっています。在学時にフィットネスクラブからの求人もあったんですが、自分が正社員として、レッスン以外に事務作業や会員受付でフロントに立っている姿が全く想像できませんでした。
大学時代から生涯学習センターなどでキッズダンスを教えていて、クラシックバレエの教室にも通っていたので、卒業する時にそういうのを履歴書に書いて、フィットネスクラブのインストラクターのオーディションを受けました。
そうしたらバレエのレッスンの仕事をいただいて、忘れもしない卒業式の日、式が終わってすぐ着替えてレッスンに直行しました。
卒業してから、ヨガとピラティスのインストラクター養成コースにも通いました。ヨガやピラティスは、今はLAVAとかもあって若い人でも普通にやっていますが、10年前はエアロビクスとか激しい系をやっていた人達が「もっとゆったりやりたい。」と流れてくるようなものでした。
私は養成コースの中では一番若手で、年上の同期の人には可愛がっていただきました。コースを終えて、大きいクラブの仕事もいただけるようになって、他もトントン拍子にレッスンが決まりました。

普通に就職するより稼いでいた?

卒業したての新人としては、まあまあコンスタントに仕事をやれていたと思います。でも、レッスンウェアとかレッスン用のCDとか、そういうのも全部自分で準備しなくてはいけないので、意外と出ていくものもありました。
2年くらいはいい感じで仕事をやっていたのですが、25歳になった頃かな。なんとなく気がついてはいたんですけど、この業界、3~40代の独身女性インストラクターが多いんですよ。みなさん姉御肌でサバサバしていてつきあいやすいんですが、「私もこういう風になりたいのか?」って考えた時に、「うーん」となって。
ちょうどその頃、仕事のしすぎでちょっと体調を崩してしまって、「この仕事スタイルでは、もう身がもたない。」って思っていました。たまたま、回りのインストラクターや同期の友達が何人か立て続けに結婚したこともあって、「私もこの辺で結婚したい。」と思うようになりました。
でも相手はいないし、付き合うような時間もなく...。取りあえず結婚できない理由をなくそうと、環境を変えてみました。夜のレッスンは外れて、土日も片方は必ず休みにして、出会いの場を作れるようにしたんです。

で、成果は?

その辺はマル秘でお願いします(笑)。付き合い始めたのは26歳くらいで、結婚した時は28歳になっていました。私の父はサラリーマンだったので、私も結婚するなら普通の勤め人がいいと思っていました。父は特に趣味もなく、毎日会社に行って寄り道もせずに帰ってくるような人で、今の夫は結果的にそういうタイプです(笑)。

そういうのを着実に実行に移せるのがすごいですね(笑)。結婚して働き方は変わりましたか?

今でこそ、ママタレントやママなんとかってもてはやされますが、6、7年前はそんなママ推しの雰囲気もなかったし、少なくとも私の職場では、逆にママじゃない部分で頑張っていないといけませんでした。
レッスンは順調に入ってきていましたが、私は子どもも欲しかったので、今までより働くペースを落としました。そこで盲点だったのが、130万から180万くらいの扶養に入らないゾーンに入ってしまったことです。いちばん損な働き方になって、2年間は税金や健康保険をたくさん払っていました。
30歳になる直前の4月に妊娠がわかりました。予定日は12月の中旬でした。

妊娠すると仕事は続けらなくなる?

フリーのインストラクターは妊娠したら、クラブによってはすぐ辞めなくてはいけません。半年か1年の業務委託契約で、だいたい4月にレッスンが入れ替わるんですが、妊娠がわかった時はもう期が始まっていて、代わりを探してレッスンから抜けました。
バレエのサークルは夏くらいまでやっていましたが、お腹が異様に大きくなってきたので、生徒から「心配だからやめて。」と言われてやめました。カルチャースクールだけは「体調が大丈夫なら。」みたいな感じだったので、9月頃まで続けていました。
夏の間に、バギーエクササイズのインストラクターの資格を取りに行きました。子どもが産まれたら、子どもを連れてレッスンをするつもりでした。

バギーエクササイズって?

ベビーカーを押しながらウォーキングしたり、バレエのバー代わりにして有酸素運動したりするやつです。ちょうど協会を立ち上げたばかりで、私が昔ピラティスを習っていた先生が講師でした。
30週すぎて、妊娠高血圧症候群とわかって、血圧が高くなり尿酸値も上がってきました。絶対安静となって、予定していた病院から急遽大きな病院に転院して、帝王切開で1カ月早く女児を出産しました。
血圧が高くなった原因はよくわからないんですが、家系に高血圧の人はいないので、私の見解では、元々やせ体型だったのに一気に太って、身体がびっくりしてしまって血管が耐えられなかったんじゃないかと思っています。

出産後は?

冬の間は、ずっと引きこもっていました。産後鬱と言うか、ホントにイライラしてそのイライラを夫にぶつけていました。春になって子どもがちょっとずつお外も平気になったので、近所のママ友を誘って、子どもを連れてバギーエクササイズのレッスンに参加してみました。
産後初めて、娘をベビーカーに入れて、泣いたら困るから抱っこひもも入れて、吉祥寺までバスに乗って出かけました。インストラクターが2人ともママで、活躍しているのを見て、「あぁ、私も家でクヨクヨしていないで、またあっち側に戻りたい!」と思いました。
でも今の身体ではフィットネスクラブのインストラクターは持ちません。子どもはしょっちゅう熱を出したりするので、レッスンに穴を開けないようヒヤヒヤしながら仕事するのも嫌でした。
未熟児でまだ保育園に預けることもできないので、実家の母に預かってもらうことにして、7月くらいから実家の近くの集会所を借りて、母の犬友達に中高年向けのレッスンを始めました。
その時は正直、まだ体型が戻っていなくて、父に「そんなブヨブヨの体で人にものを教えるのか。」と言われて「カチーン。」と来て(笑)、そこから1年で体型を元に戻しました。

どうやって体型を元に戻したの?

それが特に何もしていません。抱っことかで日常的に力を使うので、子育てしているだけでけっこうカロリーは消費するんですよ。それを全部筋トレだと思って、正しいポジションに持ってくるように努めました。
抱っこ紐をするとどうしても肩が中に入ってしまうので、骨盤が倒れてお尻も垂れてくるじゃないですか。だから抱っこはやめて後ろに背負うようにしたり。
9月頃に近所のママ友を誘って、公共の施設を借りてヨガサークルを立ち上げました。500円のレッスン料で、おしゃべりするような感覚でヨガレッスンをゆるーく始めてみたら、常に10人以上に参加していただけました。
でも、自分もみんなも子どもを連れてきているので、3人も泣いたらもうレッスンにならないんですよ。自分の身体が戻ってくるにつれて、「やるならちゃんとやりたい。」と思うようになりました。半年後にレッスン料を1000円に値上げさせてもらったら、参加者が半分になってしまいました。
それでも入るお金は変わらないので、今も月2回のペースでやっています。子どもが1歳半くらいになるとあちこち動いてしまって、もうレッスンが成り立たないので、去年の4月から一時保育に預けることにしました。

一時保育は、すぐ預けられるんですか?

1カ月前から予約が取れるんですけど大変です。朝9時から電話しても、何回もリダイヤルして繋がらなかったり。今、待機児童問題がすごいじゃないですか。

保育所、入れないんだってね?

もう本当に認可保育所は絶望的です。収入にも寄りますが保育料が安いのでみんな入れたがっていて、役所に申し込んで第何希望まで出してどこかに入れたらいいという感じで、環境がいいところは人気なので倍率も高くなります。
東京都には認可保育所以外に、都が決めた条件をクリアした「認証保育所」というのもあって、保育料はちょっと高いのですがそこもなかなか入れません。認可外では幼児教育系で、保育プラス英会話とか、フィットネスクラブが運営するチャイルドクラブなどもあるのですが、そういうところはひと月10万くらいかかります。
私は一時保育でなんとか凌いでいて、どうしても予約が取れなかったら母に来てもらったりしていました。

それでだんだん仕事に復帰していったんですね?

5月に、三鷹市がやってる市民大学講座の「子育てタフネス講座」というのを受けに行ったら、そこに30人くらいのママが参加していました。
最初の自己紹介で私は、「妊娠して太って、産後半年間引きこもっていました。でも本気を出したら、1年で体型が元に戻りました。今では高校生の時のデニムも履けます。」とアピールしてみたら、講座の後で何人かに「もう少し話を聞かせて下さい!」と話しかけられ。
「ヨガとかやってみたいんだけど、子ども預けてまで行くのはちょっと気がひけて...。でも環境が整うならばやってみたい。」という相談を受けて、「じゃあやってみる?」と、9月から10人くらいが集まって、月2回ペースでヨガサークルを始めることになりました。
子連れだとママがレッスンに集中できないことがずっと引っかかっていたので、「私が2回、同じレッスンをするからどっちかに出て、出ない人は出ている人の子を見合わない?」と提案をしました。それは今1人700円でやっていて、10人いるので2時間レッスンして7000円です。
そんな感じで、三鷹で月2回、武蔵野で月2回、実家の方で月2回、「子どもが熱を出しちゃったらごめんね。」ということもありますが、持ち前のあちこちに行ってコミュニティーを作るやり方で、仕事に復帰していきました。
それほどの収入にはなりませんが、教えていないと感覚が鈍っちゃうし、教えるのは日々現場が命だから、取りあえず人前でしゃべる機会を作ったり、自分自身のリハビリになればいいと思ってやっています。

これからはどうしていこうと?

保育園には入れなかったので、延長預かり保育が充実している幼稚園に入れて時間をやりくりしています。なので働ける時間は限られていますが、より身体のコンサルに特化した仕事をしていきたいと思っています。
ノウハウは今まで培ってきた引き出しの中から出せばいいのでそんなにリスクはないのですが、コンサルだけだとお金はそんなに戴けないかも知れないのでまだモニター募集の段階で、望まれれば個別レッスンもするつもりです。

学生の頃から計画を練って実行に移すタイプでしたね。

大学の頃に、自分は踊るより人に教えるのが好きだと気がつきました。2週間くらい前に「教える仕事の心得習得講座」というのを受けて、その中で人に何かを教える場合は、「教えるのが得意な人」と「学ばせるのが得意な人」の2タイプがあると聞きました。
教えるのが得意な人は自身も教わることが得意で、相手に合わせてわかりやすく教えることに長けていて、どちらかと言えば成果よりも知識を得ること、理解することを重視するそうです。学ばせるのが得意な人は学ぶのが得意で、ポイントを絞って相手に必要なものを自発的に気づかせたり、どちらかと言えば知識より成果を重視するタイプだそうです。
それを聞いて私は目から鱗でした。私は完全に教わるよりも学ぶ方が得意なんです。大学の授業も学びたいところだけ学んで、これはこういうことに役立つとか自分の都合のいいように解釈したり(笑)。これからも自分なりに学んでいきながら、スポーツが苦手な人にもカラダのことを学んでいただければと思っています。