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専門・サービス系
イベント・アシスタントプロデューサー

増田 萌衣(2010年度・スポーツ科学専攻卒)

広告制作会社


広告業界は体育大生向きかも!

増田さんは広告制作会社でイベント関係の仕事をしています。勤め始めて半年がたち、色々と考えることがあるようです。広告業界の仕事についてお聞きしました。
<2011.10収録>

今年は東北大震災の影響で卒業式がなくなってしまい残念でしたね。

着物も予約して式に備えていたんですけど...。地震の時、宮城にスノーボードをしに行っていて、ロッジで休憩していたらすごい揺れを感じました。クルマで行ったのですが、帰りはガソリンスタンドが開いてなくて車の中で一晩明かし、翌日、山形のほうに迂回して10時間以上かけて帰ってきました。

どんな仕事をしていますか?

広告制作会社のイベントプロモーション事業部で、イベントを企画したり運営しています。イベントと言っても一般向きのものではなくて、クライアント(顧客)が開発した商品を、マスコミに向けていかに印象的に発表するか、露出させていくかを目的にしたものです。主なクライアントは、生活用品やクルマを作っているメーカーなどです。

もともと広告代理店のグループ会社がいくつか合併してできた会社で、現在の社員数は1200人くらい、私の所属する企画開発デザイン部は10人前後のスタッフがいて、私はアシスタントプロデューサーとして、先輩に付いて働いています。

働き始めてから半年、もう仕事には慣れましたか

職場の環境には慣れましたが、仕事にはなかなか慣れません。知らないことが多すぎて、イベントの企画案を考えるにも、業界のことを知らなければアイディアも出せないので、私はまずそこから勉強しています。抱える仕事量がとても多く、一度に5案件くらい、しかもそれぞれ違う業種だったりすると、「いったいどれから手をつけよう?」と思ってしまいます。

イベントでは本番直前に足りない物が発覚したり、クライアントから修正指示が入ったり、色んなことが起こります。色々な会社が関わっているので、そこの掴みが難しく、誰に伝えれば情報を共有してもらえるか、よく考えて指示を出さないと、現場で「聞いてないよ。」となったり、言い方ひとつで現場の雰囲気も左右されるので、そこをうまくやれるようになりたいと思います。

どうして広告制作会社に入ろうと思ったの?

広告業界のことは何も知らなかったのですが、物を作る仕事をしたいと思っていました。募集サイトに生涯現役で働けると書いてあって、それもいいなと思いました。みんなで協力し合って何かを作り上げていく雰囲気が好きで、大学の時は文化祭の実行委員もやっていました。

イベントに来て「楽しかった。」と思って帰ってもらいたい、そこからまた輪が広がっていくようなイベントを作りたいと思ってイベント部門を希望しました。

実際に入ってみて?

広告業界は、毎日企画していていつも面白いことを考えているイメージがあったのですが、実際は華やかな部分はほんの少しで、イベントにしても地道な下準備や後処理のほうに時間がかかるとわかりました。

会社にはCMやWeb部門もあって、デザイナーもいれば、コピーライター、カメラマンなど、色んな人がいます。他の部署の人と関われる機会はあまりありませんが、イベントで制作物が発生した場合は制作部にお願いしたり、プレミアムグッズをプレミアム部に発注したりもします。

どんな時にやりがいを感じますか?

つい最近、仙台の方で子ども向けのスポーツイベントを担当しました。小さなイベントだったので、上司に「やってみるか。」って言われ、クライアントとのやりとりや現場の進行など、自分が中心になって動かしていきました。

子ども達に商品を食べてもらうイベントだったんですけど、クライアントにも「震災に遭った子どもたちにスポーツを楽しんでもらうことが一番の目的。」と言っていただき、講師を呼んでスポーツ教室をやったり、子ども達と触れ合うことで、このイベントが子どもたちのためにやっていると実感できました。

入社してから目の前の仕事をこなすばかりだったけど、最近はちょっとものが考えられるようになって、時々悩んだりすることもあります。

どんなことで悩みますか?

普段、企業の商品をマスコミ向けに広告するためのイベントをやっているので、時々「私の仕事は本当に人の役に立っているのかな?」って思ったりするんです。

「大量生産してプレミアムまでつけて商品を売るなんて、資源の無駄じゃないか?」とか、「モノを売るってそんなに大事なことか?」とか、「結局は企業の利潤のためにやっているんだな。」とか、そんなことを考えていると、だんだん「私、何をやっているんだろう?」と思ってしまいます...。

僕も広告の仕事をやっていますが、広告で物を買うことを煽ることには割り切れませんでした。

今はもう割り切れているんですか?

大学案内の「WILL」を作っていた時、最初は広告という意識で、いかにいい大学に見せるかを考えました。でも当時の担当者に「学生と一度話してみてください。」と言われ、学生の話を聞いてみたら、その話がすごく面白いんです。みんな得意なことを持っていて、それを一所懸命やっている。そういう話を受験生に伝えるだけで、この大学のことをわかってもらえるような気がしました。ありのままを伝えるというか、敢えて広告という意識を捨てて、学生の話をメインにした大学案内を作ってみたら、思ったより受験生の反響があって、現役生も面白がって読んでくれました。話が伝わったんだなと思いました。

私もその頃の「WILL」を見て、ニチジョに入りました。ホントに伝わりましたよ(笑)。他の大学案内とは違っていて「すごい楽しそう。」と思いました。

入学してきた学生に「アレに乗せられました。」ってよく言われるんです(笑)。

でも、4年間を振り返ってみたら、ほんとに楽しかったし、あそこに書いてあったこともほんとだし、乗せられた感はないですよ。

「WILL」を作ってから、広告って、商品を飾りたてたり買うことを煽るのではなく、ほんとうのことを消費者に伝えることが大切なのかなと思いました。広告を見るのは消費者だから、企業のためにというより、消費者のためと考えたほうが気持ちがいいじゃないですか。

なるほど。「消費者のために伝える仕事。」という風に考えられれば、もっと違うやりかたやアイディアが考えられますね。

私は時々、自分が担当している商品自体が好きになれないことがあるんです。「自分では絶対買いたくない。」とか、「商品開発の時点で違うんじゃない?」とか、「こんなに商品があるのにまだ必要ですか?」って、自分の主観が入ってきちゃって。

広告の仕事は、できあがった商品には文句はつけられないのでつらいところですね。でも、どんな商品でもそれを消費者に伝える以上は、自分の価値観やセンスは置いといて、なるべく正直に伝えたいですよね。そこはプロとして、メディアになりきるというか。

ありのままを伝える...。なんかそれって「WILL」につながりますね。伝える仕事って考えたら、私も人の思いを伝えるパイプ役になれたらいいなと思います。

今はまだ企画段階ですが、仙台のイベントがまた来月あって、クリスマスに仮設住宅エリアでパーティをやるんです。ロケハンに営業が行って写真を撮ってきてくれました。地震の傷跡がまだ残っている写真を見ているうちに、私は「このイベントで、子ども達に何かを残してあげたい。少しでも元気にしてあげたい。」と思いました。

その思いを、写真と一緒に協力会社の方にメールで送りました。後でその方が打ち合わせに来た時、「増田さんの思いが伝わってきました。」ってぽろって言われて...。私のホントの思いを伝えたら共感してもらえたんです。それまで上司に言われるままメールを打っているだけだったのですが、思い切って自分の思いを伝えて良かったなと思いました。

ホントの思いや気持ちを伝えられたら素敵ですよね。今、友達同士でも自分の思いを素直に言えなかったり、悩んでいても人に言えなかったり、自分の思いを伝えることは恥ずかしいとか思って、なかなか言えないじゃないですか。そういう思いや気持ちを伝えられたら。

私は自分の中の思いをうまく伝えるのが苦手でした。両親は共働きだったので、親とも時間をかけて話すことが少なく、小さい頃から、自己解決が多かったんです。恋愛の話とか、そういうのを何でも話せる家庭にあこがれていました。

4年生の時、ニチジョの就活セミナーのスタッフになって、企業のお客様の前で挨拶をやらせていただきました。それはすごく光栄なことだったんですけど、始めてのことなので何を話していいかわからず、キャリアセンターの方に相談に行きました。

そうしたら「思っているままを伝えればいいんだよ。変な話、泣いちゃってもいい。」って言われ...。相談しているうちになぜか涙が出てきて、「泣くのはまだ早いだろう。」みたいな(笑)。それで、いざ本番で挨拶していたらまた泣いちゃいました。なぜか、自分の思いを伝えると、涙が出てきちゃうんです。

どんな大学時代でしたか?

高校まで水泳を15年やっていて、ニチジョにはスポーツ推薦で入りました。ずっと水泳ばかりやっていたので、他のことを何も知らないので、大学では他の世界をもっと見てみようと思いました。

2年生の時に、大学の掲示板に置いてあったボランティア雑誌で、大きな木を鋸で切っている写真を見て、「すごい。」と思い、そのボランティア事務所に電話をして、タイのワークキャンプに行ってきました。

仕事は、チェンマイの北のアカ族の村に行って、集会場を作ることでした。大学生や社会人、見ず知らずの人が20人くらい集まって、現地の人のお家にホームステイをしながら2週間、森から切って来た竹を担いで運んだり、穴を掘ってセメントをこねて流しこんだり、文字通り汗を流しながら集会場を建てました。自給自足に近い村で、飼っていた豚を殺して食べるという、私に取っては衝撃的な体験もしました。

アルバイトを、いつも掛け持ちでやっていて、1年生の時は夜に岩盤浴のスタッフ、早朝にパン屋さんで調理の仕事、2年生の時はパン屋さんの仕事をやりながら、土日に地元のショッピングモールでアパレルの店員、3年生の時はアパレルのバイトと並行して、夜は居酒屋で働いていました。その頃の手帳をみると、アルバイトのスケジュールでびっしりです。

その頃は何になろうと思っていました?

美容やアパレルに興味があって、そういう要素を全て兼ね備えているウェディングプランナーになろうと思っていました。洋服や小物を見に、原宿などにもよく行っていて、そこでディスプレイされた商品を見ているうちに、今度は空間デザインに興味がわいてきました。

3年生になってシュウカツが始まり、アパレルと空間デザインの会社を中心にエントリーしました。シュウカツサイトで空間デザインの会社を探していた時、偶然今の広告制作会社のサイトを見て、何気なくエントリーしてみました。

エントリーシートに、「あなたに取って拵えることとは何ですか?」という質問があって、そこにタイのボランティアで集会場を作ったこと、祖母がいつも「拵える。」という言葉を使っていたので、その言葉にはなじみがありなんとなく愛情を感じる、そんなことを書いてみました。

不思議なことに、そのエントリーシートだけはすらすら書けました。面接でも、拵えるっていう言葉について訊かれ、同じことを答えました。他の面接と違って、その時だけは本当に思った言葉が自然に口から出てきたんです。最終的に内定をいただいたのは、アパレルの会社と今の会社だけです。

ずっと働き続けたい?

前はそう思っていましたが、今はもし自分の子どもが生まれたら専業主婦でもいいと思います。食の勉強会に通ったことがあって、人の体は食べ物からできているから、普段から栄養を考えて食べるのが大切と言う話を聞きました。仕事をしながら子育てしたら、そういうのもおろそかになってしまうかも知れません。家事も人の命をあずかる大事な仕事だと思います。

結婚の予定は全然ないんですけど、やっぱりそういうこと考えちゃうんですよね。正直、もう少しゆとりを持って働きたいと思います。

今はゆとりがない?

仕事に慣れないので時間ばっかり掛かっちゃうのもあるんですけれど、気持ちのゆとりがないんですね。イベントが忙しかったりすると、いつも終電で家には寝に帰るだけ。家族との会話もなく一人でご飯を食べて、新人なので朝は当然定時出社で、満員電車に乗って会社に行く。そんな風に毎日が過ぎていくと、なんかそういう生活はイヤだなと思います。

今は、仕事にも少し慣れてきたので、ちょっとはゆとりが出てきました。休みの日は、出かける元気はある時はなるべく出かけて、会社以外の人と会ったり、違うことをやってリフレッシュするようにしています。

これからどうしていきたい?

「増田さんなら任せられる。」って言われるような仕事をしていきたい。信頼してもらえるような仕事をしたいです。人との関わりを厚くして、いろんな人と関わって仕事をしていきたい。仕事も何のためにやっているのかわからないけど続けていれば何か見えてくるのかなと思って、悩むこともあるけどもうちょっと続けてみようと思っています。水泳も続けることで見えてきたものがあるから、今は耐え時です。

広告業界を目指したいニチジョ生にメッセージを。

広告業界というと、ニチジョ生は「ええ、体育大生に入れるの?」って思うかもしれません。私自身、シュウカツの時に、体育大ということにちょっと引け目を感じていました。「体育大卒でも大丈夫ですか?」って上司に聞いたことがあります。「大丈夫だよ。アイディアは誰でも出せるし、考えていれば出てくるものだから。」って言われました。

実際自分が入ってみると、体育大でも充分やっていけると思います。自分の努力しだいで上を目指していけるから、日々努力するという点では、むしろニチジョ生は負けないんじゃないかな。イベントは体力が必要なので女性にはきついと言われますが、そこもニチジョ生は強いですよね。

広告業界は一見華やかに見えますが、実際にはみんな忙しく自分の仕事に没頭しています。いつも気持ちの良い挨拶が飛び交うような職場に変えていけたらいいなと思います。

<2011.10収録>