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管理・事務系
人材サービス(人事)

山下 祐子(2003年度・健康スポーツ学専攻卒)

元・人材サービス会社勤務


新卒なんていらない?!

山下さんは、学生時代にチアリーディングに打ち込んできました。卒業後もチアを続けられることを優先に仕事を選び、人材サービスの会社に4年間勤めていました。5年目にワーキングホリデーの制度を使ってカナダに行くことにしました。
<2009.06収録>

明日からカナダに行くんだって?

はい。明日の飛行機で行きます。先週まで仕事をしていました。卒業してから4年ちょっと働いて、お金も貯まったので、ワーキングホリデーの制度を利用して行ってみることにしました。向こうで何をするかは特に決めていないんですけど、ワーキングホリデーならアルバイトができるし、6カ月以内だったら語学学校にも通えます。

前から海外で生活してみたくて、大学を卒業する時も留学しようか迷ったのですが、結局就職をしました。働いてからも、お金を貯めていつか海外に行ってみようと思っていました。カナダにしたのは英語圏だし、アメリカにもメキシコにもつながっているので、幅広くいろんなものが見られるんじゃないかと思って。

どんな会社に勤めていたんですか?

人材サービスの会社にいました。人材派遣とアウトソーシング(作業請負い)をやっている会社です。正社員はだいたい250人、派遣社員は700人くらいいました。登録制の派遣ではなく、お仕事があった場合に派遣社員を求人するかたちでやっていました。

もともとは、ある製造メーカーの海外輸出向け機器の梱包作業などをやっていた会社で、その一環で人材も派遣するようになりました。派遣先には、製造メーカーや研究開発部門が多く、最近では販売業などにも派遣しています。 創業50年以上の古い会社ですが、私が入社するまでは大卒の新卒採用をしていなくて、私は新卒の1期社員として採用されました。

仕事を始めてみてどうでした?

入社すると3カ月間、石鹸会社の工場に現場研修として配属されました。そこでお歳暮のギフトセットの箱詰め作業をやりました。ずっと立ちっぱなしで、体力的にはつらくなかったけれど、慣れてしまうと眠くなった記憶があります。

その後、社長に「採用担当を一緒にやってもらえないか。」って言われ、新卒採用の仕事をすることになりました。それから4年間、ずっとその仕事をやっていました。だから人材サービスの会社にいても、派遣コーディネイター的な仕事はしたことはないんですよ。

新卒でいきなり採用の仕事を?

当時の採用担当は大きな人材派遣会社から転職をしてきた人で、1人でやっていて一緒にやっていく人が欲しかったのだと思います。大学を卒業したばかりの私でしたが、大学生にとっては年齢が近い方が緊張しないし話も聞きやすいみたいで、若い社員に新卒採用の仕事をやらせるというのは、いいアイデアだと思いました。

ずっと大学生とお話をするような仕事でした。会社の説明会をやって、選考にきた大学生の面接や試験をしたり、2次3次4次と進んでいくなかで合否の連絡をしたり。内定したあとは、内定者のフォローで会社のイベントや懇談会に招待したり、配属先についての面談をしたり。入社してきた社員の新人研修をやったりもしました。

大学を訪問したりもしました?

はい。メジャーな会社ではないので、有名私大などに行くと、「何の会社?」「資料だけ頂いておきます。」みたいな感じで、ちょっと冷たかったりするんですが、普通の営業とは違うので、たいていは大学側も歓迎してくれました。共学の大学の学生は、ちゃんと私服を着ているなあってちょっと感心しました(笑)。

ニチジョにも行っていました。やはり自分の出身校なので、来ると安心するというかほっとしました。他の体育大では、「自分も体育大出身です。」って言うと、話もはずんで会社に興味を持ってもらえました。

会社は、社長が率先して新卒採用をやっていこうという感じだったのですが、社内的には、新卒採用に反対している人もいて、理解をしてもらうのにすごく苦労しました。

なぜ反対していたの?

元々人材サービスの会社ではなかったので、それまでは、契約社員として現場経験を5年、10年やった人達が正社員になってきました。努力をして正社員になった、いわゆる「たたきあげ」というやつです。そういう人から見れば、「現場も知らずなにもできないヤツが、いきなり正社員なんてとんでもない。」っていう話で。

社内のそういう雰囲気を何も知らずに、私と上司の2人で事業所を回った時、「来年新卒採用をするので、この事業所には何人配属してほしいですか?」ってヒアリングをしようとしたら、事業所の社員に「いらない。っていうか、そもそも新卒なんていらないから。」って言われ...。

私もその年に新卒で入ったんですけど、「ワタシいらないんだー?!」みたいな(笑)。

どうして急に新卒を採用しだしたのですか?

会社の成長に伴って、若い力が必要となってきたようです。時代にあった人材サービスを提供するために、柔軟性や機敏さ、新しい発想といったものも求められていました。私が入ってからは毎年新卒を採用していて、今は5期まで入っています。

入社した時は、大卒の同期は3人しかいなかったんですけど、1年後に10人くらい、2年後から20人、30人と入ってくるようになり、それからは毎年だいたい30人ほど新卒を採用していました。来年の春に新卒が入ってくると、新卒組が100人を越えます。正社員の半分近くが新卒組ということになります。

私が就職したころは、身近に派遣会社で働いている人はいなくて、人材サービス系を目指す友達もいませんでした。でも最近の学生は、人材サービス系1本でシュウカツしている人もいて、時代は変わったなって思います。人材サービスやコンサルティング希望という人がたくさんいます。人のために仕事をしたいという人たちが、人材サービス系を選んでいるみたいですね。

社内的な逆風は、常に感じていましたが、現場に実際に新卒が入っていけば、昔からいる社員も情がわいて育てたいと思うようになるだろうから、もう人数で圧倒しちゃおうみたいな感じでやっていました。

新卒の人たちは、どんな仕事をするの?

将来的には派遣コーディネイターなどの仕事をしていくことになるのですが、入社後2年間は工場などの現場で作業をすることが決められていました。私も3カ月だけやった箱詰めなどの作業を、契約社員に混じって一緒にやっていきます。新人研修後が終わると、新卒のみんなはそれぞれの現場に入っていきました。

体力系の仕事もあるので、ニチジョの人ならそんなにつらくないと思うんですけど、新卒の社員は男女問わず現場の研修に抵抗を感じます。もちろん入社前に現場での研修には納得してもらった上で入社するわけですが、就職したらやっぱりスーツや制服を着て働くというイメージがあるのか、せっかく社会人になったのに、作業服を着てホコリまみれで汗水垂らして働くのがしっくりこないようで。見栄もあるのかな。工場に行くのにわざわざスーツで来たり(笑)。

現場で働くことを厭わない。その関門をくぐりぬけないとやっていけない?

そうですね。現場で働いてみるというのは、ひとつには、自分たちのお給料がどこで生み出されているのかを、肌で実感しなさいっていうことなんですけど。やはり働いている派遣社員の気持ちがわかって、お客様のこともきちんと理解しないと、人材派遣のコーディネイターという仕事はできないと思いますから。

派遣社員と一緒に働けば、派遣のかたが会社や派遣先に対して求めていることを聞けると思うんです。新卒の正社員といっても、派遣社員の方にしてみれば後輩になるので、会社には言えないようなことでも話してくれるだろうし、そういうことが最終的に管理の仕事をするときに役立てられると思います。

ただ、現場がつらくて退職してしまう人も中にはいます。でもそこで適応できなかったから即だめっていう判断は、どうかなとも思うんです。その現場で駄目だったとしても、他に合う現場があるかもしれないし、その辺はもう少し柔軟性をもって、その人に合わせてできたらいいなと思うんですけど。

やっぱり入社してから2年間の現場体験っていうのは、大きいと思いますね。私も会社の言ってることをわかる面と、そんな都合のいい風にならないだろって思う面がありました。

採用の合否にも関わったりしていたの?

1次選考で不採用とする場合は、自分の段階でやりました。会社の意向もあり、入社したいという気持ちが感じられない限り、私のところで落としたりはしませんでした。

採用の基準は?

基本的にはこの会社を好きになってくれる人、ほんとに入りたいと思ってくれることです。会社に入って幸せになれそうか、社風にあっているかが大事で、求められる人物像などは特にありませんでした。

仕事がばりばりできるとか、エリートである必要はありません。逆にそういう人は、ほかの会社に行ってもらったほうが幸せになれるかもしれません。お客さまと派遣社員の間でする仕事なので、コミュニケーションをとるのが好きな人だったら、何学科でもオーケーでした。

ニチジョOGもいるんですか?

ニチジョ生は、私の1つ下から4年連続採用していました。2つ下の子は、去年からずっと一緒に仕事をしていました。ニチジョの生徒が、説明会や選考に来ると特別嬉しい気持ちでした。やっぱりノリが違います!!

仕事のやりがいはなんですか?

学生もかわいいし、採用の仕事はほんとに楽しくやっていました。新卒採用の仕事は、1年間活動をして入社してもらって一区切りです。まず説明会に来てもらったら、ちょっとうれしい。やり始めた頃は、説明会に1人も来ない時もありました。今では毎回、20人とか多い時だと満席で入れないくらい人が集まってくれます。

学生から会社が好きとか、内定した時に入りたいとか言ってもらえると、やっぱりうれしいですね。入社してくれた人数が、1年間の自分の仕事の結果みたいな感じです。まあ、そこは結果じゃなくて、仕事を続けていってもらうのが、ほんとの結果だとは思うんですけどね。まずは入社してもらわないと、というがあるので。

つらかったことはありますか?

入社して3年目の時、その年にはいってきた新入社員全員と、毎月1回面談をしたことがありました。全員現場に入っているので、毎月現場に出向いて会いました。会社がお金を出してくれるので、仕事が終わってから現場近くのカフェとかレストランで、8時とか9時、長い子だと10時くらいまでお話しするんです。

職場でのストレスなど、いろんな話を聞きました。ほとんどガス抜き係みたいな仕事ですが、現場での不満がバアーって出てきて、それを聞きながら、「そっかそっか、大変だね。」なんて言ってるうちに、自分でも「それって、ちょっとひどいんじゃない。」って思って腹が立ってきたり。

味方になっちゃう?

そうなんです。私の役割として、そこはニュートラルじゃなくちゃいけないんですけど、その時はもう情が移っちゃうというか、「なに、この会社。」って、一緒になって怒っちゃう...。

あの頃は会社を嫌いになった時期でした。採用の仕事自体がしんどかった。入社してもこの子は、つらい目にあうんだろうなって思っちゃったり。なんか、入社してくれた子の人生を、自分で勝手に背負ってしまっているような感じでした。

採用することで、その人の人生にコミットしてしまうというか、「もし自分が選んでなかったら違う人生があったのかな。」みたいな?

そう。でも、せっかく応募してきてくれた大学生に対して、ネガティブな情報は伝えられないし、喉まで出かかっているものをぐっと飲み込んで、学生に接していました。

最終的には、そこはもう別々に考えることにしました。あんまり深く考えないようにして。大学生といっても大人だし、その人が入社してからどう思うかはわからないので、「自分の目で判断して。」と思って割り切りました。逆に、新卒の人たちがきっと会社を変えてくれるんだと思うことにしました。

休みの日は何をしていました?

チアリーディングをやっていました。「ブロンコス」というニチジョのOGチームに入っているんです。メンバーは30人くらいです。練習は週3日、水曜と土曜の夜と、日曜の昼間にやります。ニチジョの体育館をお借りしたり、ほかのチームと一緒に合同で体育館を借りたりしています。

カナダに行こうと思ったのは、会社の仕事が嫌になったから?

それは違います。3年目の頃に、「新人研修でキャリアプランを作らせてみたいから、試しにあなたのプランを立ててみて。」って言われて、作ってみました。80歳で死ぬと仮定して逆からプランを立てていくものでした。

海外に行きたいというのが頭にあったので、それも入れてプランを立ててみると、ちょうど今の時期になったんです。目標までにあと2年しかないってわかって、そこから毎月、貯金を始めました。

そのプランってどんなの?

ほんと普通ですよ。会社で仕事をして、海外に行って、戻ってきたら、上司の女性がいるのですがその人が独立をしたいと言っているので、その人と一緒に心理カウンセラーの仕事をする。カウンセラーの知識はないんですけど、事務的な仕事でもいいので一緒にできればいいなと。でその後は、結婚して子供ができて...、みたいな。

そのプランを、上司に見せたんですか?

はい。カナダに行きたいということも会社にお話しました。

その年の6月に、カナダ大使館に説明を聞きに行きました。ワーキングホリデーのビザの申請は11月から始まり、5000人で締め切られます。11月に入ってすぐ、ビザを申請しました。

翌年の1月に許可が下りたので、ほんとに行きますということを会社にお伝えしました。3カ月くらいだったら休職というお話もあったんですけど、絶対もっといたくなると思うので退職にしました。

正社員と派遣社員があったり、格差社会と言われていることについてはどう思いますか?

私がいた会社では、正社員になりたい人達には社員登用の道があって、毎月2、3人は正社員になっていました。ただ、私が身近に接していた派遣社員の方たちは、必ずしも正社員になることを望んでいないような気がするんです。

たとえば20代30代の比較的若い人たちは、なにか夢があってそれを実現するつなぎとして今の仕事をしていたり、主婦の人たちなら、フルタイムよりもパートタイムの派遣ほうが都合が良かったり。

格差社会というのは、正社員になりたい人達がなれなくて派遣という場合だと思うんですけど、私が見た限りでは、正社員で働けないから派遣をやっているとは感じなかったですね。

例えば舞踊専攻卒の人がダンスがやりたいから、自ら派遣を選ぶというような?

そうです。もちろん、正社員になりたくてもなれない人は、ゼロじゃないと思うんですけど、でも条件にこだわらなければ、どんな仕事でもする気があるんだったら、正社員になれるんじゃないかなって思います。選んでいるからなれないというか、ならないんじゃないかな。

派遣社員の面接もしていたのですか?

私はしていませんでした。後輩でそういう仕事をやっている人もいました。新卒採用と違って、たった30分くらいの面接でその人を判断して合否を決め、お客様に派遣するので、むずかしい仕事だと思います。短い時間で、適性を見極めるのは大変なことです。

最近派遣社員による秋葉原の殺傷事件が起きましたね?

あのニュースを見た時に、初めはうちの会社の派遣社員かと思いました。たまたま会社や派遣先の場所が一致していたので。うちの会社だったらどうしようと思ったんですけど、良く良く聞いてみたら違う会社だってわかりほっとしました。ほんとにあぶないと思いました。

派遣社員は増えると思いますか?

派遣業界も直雇用化が進んでいます。大企業だと、自社で派遣会社を持っていたり、自社内で派遣というかたちに切り替わってきているので、派遣業だけでやっていくのは、難しくなるかもしれません。

派遣できる業種も狭まってきているんですよ。製造業など26業種は3年以上は派遣できないという法律ができていて、製造派遣をメインにやっている会社はこれから厳しくなるでしょう。

将来的には海外からの派遣も増えてくるのかな?

実際にもう中国からの人材を紹介する会社はあります。ビザの手続きなども全て人材サービスの会社がやって派遣しています。会社でも3年前に、中国からの留学生を2名採用しました。それから毎年中国からの留学生を採用しています。今は15名ほどですが、日本人とまったく同じ条件で同じ研修制度を使っています。

学生の頃は、将来何しようと思っていましたか?

スポーツトレーナーとか、スポーツに関わる仕事がしたいと思っていました。高校時代はバレーボールを見るのが大好きで、Vリーグの追っかけみたいなこともしていました。父親に、「そんなに好きなら体育大学にでも行ったらどうだ。」って言われ、体育大学を受験しました。

高校まで共学だったので、ニチジョにきた時は、男の子がいないので、気を使ってないというか素のままで、「なんか怖い。」って思った記憶があります。飾っている人もいないし、みんなスッピンで、「パジャマかよ。」みたいな感じの服で授業を受けていて。気がついたら、私もそうなっていたんですけど(笑)。

チアを始めたのは?

高校は水泳部だったのですが、大学では新しいことをやりたくて、ライフセービングやラクロスを考えていました。チアリーディングというスポーツは知りませんでした。

でも新入生歓迎会で、チアの演技を見たら圧倒され、見学に行って、気がつくと入部していました。団体競技は初めてで体も堅くてリズム感もない私は、やり始めると、チアの動きの中で得意なものが全然なくて、もうやめちゃおうかなとも思いました。

ちょうどその年に、ニチジョのバレーボール部がインカレで優勝しました。バレーボール部のマネージャーがやりたくて、見学に行ったんですけど、マネージャーもやはり経験者じゃないと難しいと言われてしまいました。

2年目の時、初めてチアの試合に出ました。なんていうか、全員が頑張らなきゃ絶対できないし、どんなに頑張ってもノーミスの演技はできなかったり、採点競技なので、自分たちがいいと思っていてもだめだったり、思っていた以上に良かったり、チア独特のおもしろさがあると思いました。それで、今でも続けているんですけど。

チアリーディング部は、Vリーグでパイオニアの応援をしてますね?

それは、私たちの代から始まったんですよ。3年の時に、チアリーディング部がインカレで優勝して、パイオニアから、日本一のチームに応援を頼みたいと依頼があり、それでやることになりました。

パイオニアの本拠地は、山形県なんですけど、試合があるところにはどこにでも、一緒に転戦してついて行きました。Vリーグが行われている間、土日の試合はほぼ全て応援に行きました。旅費も交通費も出してもらって。1回8人って決まっていたので、希望者を募って、たくさんいるときは先輩優先みたいな感じで。私は3年生だったので、かなり行きました。その年に、パイオニアが優勝しました。

シュウカツを始めた頃は、どんな仕事を考えていました?

3年生の秋頃は、マスコミ業界にあこがれていました。中学の友達がテレビ関係の会社にいて、ステージを組んだりする仕事でしたが、いろんな芸能人の方たちと現場で一緒になるらしく、「昨日SMAPと仕事をした。」とか、「岡村と仕事をした。」とかいう話を聞いて、「それってすごい!」と思いました。

単純なので、もう「自分もマスコミ!」みたいになっちゃって(笑)。友達は大学に直接求人があったらしいのですが、私も、AD(アシスタントディレクター)とか、裏方的な仕事を探してみました。でもリクナビとか毎ナビとかには乗ってなくて、ほとんどがアルバイトでした。

テレビ局も考えました。エントリーシートが何枚も何枚もあって、それを書くだけで疲れてしまいました。マスコミ業界に本気で行きたい訳ではなくて、あこがれ的なものが強かったので、具体的なイメージが持てませんでした。

マスコミはあきらめた?

はい。それで「私はやっぱりスポーツ業界だ。」と思い、インストラクター系などを見ていきました。4年になって、幼児体育の会社で内定をいただきました。子どもはすごく好きなので、自分にも合っていると思いました。

チアリーディング部をやっていたという社員の方がいたので、お話を聞いてみると、土曜日や日曜日でも子どものサッカーの試合などがあれば、付き添いとして行かなくてはいけないらしく、「チアリーディングを続けるのはちょっとむずかしいわよ。」と言われてしまいました。

チアは、卒業しても絶対続けていきたいと思っていたから、チアが続けられないなら、その仕事は自分にはできないと思いました。「やっぱりサービス業だと、土日も仕事になってしまい、チアができなくなる。将来、自分が動けなくなったらスポーツを教える仕事もいいけれど、それまでは自分がやりたい。人に教えている場合じゃない。」と思って、その会社は辞退しました。

そこからは、もうチアが優先で(笑)。先輩たちは、一般企業に努めて土日にチアをやっている人が多かったので、自分もそうしようと思いました。そこで一般企業に的を絞って、サイトで検索するときは「土日休みの東京都内」みたいな感じで、条件面を重視して探し始めました。

職種は?

海外に興味があったので、海運とか、貿易会社とかを見ていました。ばりばりシュウカツをやっている人達にくらべたら、全然だと思うんですけど、20社や30社くらいは説明会に行ったと思います。実際にエントリーシートを出して面接にいったところは、10社くらいです。

夏休みになると、企業はお休みのところが多いので、シュウカツはお休みしました。9月に、チアのオフの期間を利用して教育実習に行ってきました。戻ってきたら、もうすぐインカレ。「最後のインカレだから。」という理由を自分につけて練習に専念して、シュウカツはあまりせず。インカレが終わった12月くらいになって、シュウカツを再開しました。

卒業ぎりぎりになっても就職先は決まりませんでした。もし決まらなかったら、留学しようと思い、親にも相談していました。チアの同期は半分くらいは就職先が決まっていないのもあって、焦ってはいませんでした。でも仕事が決まらないから留学するというのもどうかなと思ったので、とりあえずシュウカツだけは続けようと思いました。

卒業式目前の2月に、人材サービスの会社が求人票を出していました。卒業旅行から帰ってきて、説明会に行って、その会社に決まりました。ほっとしたというよりは、「働くのかァ、私...。」みたいな感じでした(笑)。

チアで留学をすることは考えなかった?

トップと言って上に乗るような人たちは、海外でもできると思うんですけど、ベースとか下のポジションをやっている人たちは、なかなか海外ではむずかしいですね。海外は男女混成が多く一緒に組んでやるので、女性はだいたい上に乗ります。私は、ほとんどベースしかやっていませんでしたから。

戻ってきてからは?

まだチアをやりたいので、それを主体にまたシュウカツしようと思います。新しい会社も見てみたいという気持ちもあります。でも友達に自分の会社のことを聞くと、みんな愚痴を言い合うので、それを聞いていると「私がいた会社ってちょっといい会社かも?」って思ったり(笑)。友達の愚痴は、たいてい上司に対してですが、私は人自体に対してはそれほど不満はなかったので。

社員がみんな若くて、部長クラスでも30代後半だから、おじさんくさくないんです。男女比がほぼ半々の会社なので、女性にも気を使ってくれるっていうか、そういう面ではやりやすかった。

会社は集合ビルの7階に入っているんですけど、朝、他の会社の人たちとエレベーターで一緒になるんです。偉そうにしているおじさんが、一番にエレベーターに乗って、自分の階のボタンを押したら、一番奥まで詰めちゃってあとは知らんぷり。あとから急いで乗ろうとした私が、がんってぶつかって...。

普通なら「開くボタン」を押していてくれたりするじゃないですか。エレベーターの中で、すごーい寒い話をしてたりとか。(寒い話って?)つまらない冗談。そういうのを聞いていると「ああ、この会社で良かった。」って思いました(笑)。

もし好きなことを仕事にできるんだったら、チアを仕事にしたいですか?

「ブロンコス」のみんなで、良くその話を話するんです。イベント会社を立ち上げようかって。今のメンバーで、チアの仕事ができるんだったら是非やりたいですね。自分だけ違う企業でチアを仕事にしたいかっていうと、そうじゃないんですけど。あのメンバーで、私たちのやるチアが仕事になるんだったら、やりたいなと思います。

千葉ロッテマリーンズのチアパフォーマーのような?

そうですね。よく、結婚式などでたのまれてやったりするんです。みんなで、「これって絶対ビジネスになるよね。」っていう話をします。実際に、あるレストランウェディングでやったチアの演技ビデオを、ウェディングフェアとかで流すと、「これ、オプションなんですか?」って問い合わせがあるみたいです。そういうのを聞くと「じゃ1回10万で!」とか、ふざけて言っています。

今は、土日にしか練習ができないけれど、ほんとにチアが仕事になるんだったら、平日に練習をして、土日にイベントや結婚式、企業の応援とかの仕事をやっていけば、できるんじゃないかって言い合っています。

でも、みんなたぶん、まだ競技をやりたいんですよ。お客さん向けに、そこそこのレベルのものをやればお金がもらえるというのじゃなくて。日本一になったり、そういう追求をしたいんだと思います。それもできて、仕事もできたら最高なんですけど。

そこがやっぱり、サービス業になるか競技かの境目だよね。でも平日にチアの練習をしていたら、休みの日ぐらいはチアからは離れようってならない?

そうかもしれない。オフの期間とか、すべて忘れていましたから。思えば、仕事のストレスをチアで発散して、チアのストレスを仕事で発散している気がするなあ。

カナダでもチアの練習する?

とりあえず太らないようにしないと(笑)。