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営業系
WEBマガジン・営業

弓野 晃奈(2014年度・健康スポーツ学専攻卒)

企画・販促会社勤務


スポーツ女子を応援したい!

弓野さんはスポーツ系Webマガジンで、営業の仕事をしています。Webマガジンの営業とはどういうものか、どうしてそういう仕事をするようになったのか聞いてみました。
<2016.09収録>

OG図鑑の尾形さんから、スポーツ系Webマガジンの運営のお仕事をしていると聞きましたが?

はい。「RanRun」というWebマガジンです。「スポーツ女子の自分磨きを応援する」というテーマで、スポーツをしている女子学生をターゲットに次世代の女性リーダーを育てるをコンセプトとして、健康、食、美容また卒業後のキャリアアップなど多岐にわたる情報を日替わりで発信しています。

弓野さんはそこでどんな仕事を?

私は営業として、サイトの運営に関わっています。記事のネタになるような情報収集をしてスポーツ女子やイベントの取材に立ち会ったり、体育系学生と企業を結ぶイベントやセミナーなどの企画を立てたり、広報担当としてブログを発信したりなど、様々なことをやっています。
スポーツ女子がターゲットなので、体育大はもちろん総合大学へも行きます。大学では広報やキャリアセンターの方にお会いして、学生をご紹介いただいたりイベントのポスターを貼らせていただいたりしています。
スポーツ女子の取材では、私は取材対象を探したり、ライターと一緒に取材にも行っています。尾形先輩のことは「OG図鑑」で知り、逆取材させていただきました。通勤途中の電車の中でも、チームジャージを来たスポーツ女子学生を見かけると、思わず話しかけたくなっちゃうんですよね(笑)。
体育系の学生は部活をやっている人が多いので、就活のスタートが遅くなってしまいがちですよね。このサイトではスポーツ女子のキャリアアップにつながる記事の発信をしています。

ところでWebマガジンの運営って、どう成り立っているのですか?

サイトの閲覧は無料ですが、運営にはお金がいるので、私は営業としてどうやって利益を上げるかを念頭においていつも動いています。例えばつい最近では、ある企業の記事広告を作りました。

記事広告というのは、企業のPRになるような記事を書いてお金をいただくことですね。

そうです。記事中でその会社の商品を紹介したり情報発信をしたり...。営業で企業を回りニーズを探ったりもします。「体育系の学生が欲しいけれど、どうアプローチしていいかわからない」という人事担当の方のために、スポーツ女子を集めたイベントの開催を企画中です。
また、スポーツ女子が参加できるようなイベントを企画して企業の協賛やスポンサードを募ったりもします。先日もフットサルコートの運営をしている事務局さんと協力したフットサル女子のためのイベント(スポーツ大会)を行いました。

なるほど。どうしてそういう仕事をするようになったのですか?

私、この会社は2社目なんです。2月から勤め始めたのでまだ9カ月ぐらいですか。前職を辞めた時、ちょうど今の会社が募集していて、自分のもともとやりたかった「就活や進路に関わることができるかな」と思って応募しました。前職も営業だったので、前の会社の経験が今の仕事にも生きています。
今は、いろんな業種の方とお話しできるので楽しいです。そこで学べることもいっぱいありますし、「こんな業種もあったんだ」とか企業研究もできるので、そういったこともスポーツ女子の学生に伝えていきたいです。

大学生の頃は何になりたいと思っていました?

ずっと教員になりたいと思っていました。高校は家政科でスポーツ栄養学やトレーナーのことを知り、自分もスポーツをやっていたので、もっと専門的に学びたくてニチジョに来ました。
進路を決める色々なタイミングで出会った先生にすごく良くしていただいて、「私も教員になるなら、生徒の進路指導で相談に乗れるような先生になりたい」と思いました。でも社会のことを知らないと進路のアドバイスはできないので、いったんは就職して、それから教員を目指そうと思いました。

就活ではどういう業界を?

2年生の時から就職ゼミを受けていて、「キツイところを経験することで見えてくるものがある」と知り、「いちばん大変」と言われている職業に就こうと思いました。就活していくうちに、「商社がいちばん世の中の流れや社会の仕組みを知れるのかな」と思うようになりました。
最終的に就職したのは、医療機器を扱う商社でした。決まったのは4年生の4月です。入社前に社員の方と面談して、「体力的にも相当キツい仕事だよ」とお聞きしました。でも、大学の研究室で測定機器などにも触れていたし、キツいのは臨むところなので、「自分は耐えられる」と思いました。

どんな仕事ですか?

病院のCTやMRIなどの医療機器を納めたり、院内の机や椅子を揃えたり、ITシステムを導入したり、病院に関わるほとんど全てを扱っていました。入社して2カ月間の研修を受け、勤務地に配属されて社員寮に入りました。
最初は上司についていろんな病院を回りました。慣れて来たら一人で、新規開拓でテレアポや飛び込みの営業もやりました。出張も多く、日帰りで宮城や鹿児島に行ったりもしていました。
病院建て替えの仕事では、5年計画でコンサルから始まって納入業者の選定やスケジュール管理、納入まですべてを行っていきました。病院事務の方や医師や技師の方と打ち合わせをして、使う頻度や建物の構造にあわせて機器を提案していきます。

かなり専門知識が必要な仕事ですね?

そうですね。色んなメーカーのカタログを読み込んだり、先輩に聞いたりして勉強しました。病院で医師の好きなメーカーを聞き出したりするのですが、診療時間を外さないとお話が聞けないので、勤務時間は不規則になりがちでした。
医師が希望するメーカーがそのまま通るわけではなく、事務方との間を取り持ったり、メーカーと価格交渉したりもしました。商品を調べてリスト化し、メーカーからあがってきた見積もりと一緒に提出するんですが、MRIひとつでも色んな種類があって資料が膨大なんですよ。
昼間は営業に出ているので、社に戻ってから資料作りをやって、朝までかかってしまい、シャワーを浴びに寮に帰ってほとんど寝ないで出社することもしばしばで、土日もやらないと終わらないこともありました。

他の社員はどんな感じ?

会社全体、電話がずっと鳴りっぱなしみたいな感じで、上司や先輩は私以上に忙しく働いていました。私は「上司や先輩に迷惑かけられない」と思っていて、上司や先輩に「大丈夫?」って訊かれても、「大丈夫です!」ってとっさに答えて、ホントにその頃は「大丈夫です!」が口癖でした(笑)。
6月に配属になってからずっとそんな感じで、11月の末に、久しぶりにニチジョ時代の友達に会ってご飯を食べに行きました。その時、友達に「どうしたの?なんか前と全然違っているよ」とびっくりされました。その頃は寝る時間があまりなくて、ご飯も食べられなくてげっそりしていたと思います。 並んで歩きながら、友達が何か話しかけているんですけど、それに全然気づかないんです。「ねぇ、ちょっと聞いている?」「え?!」みたいな感じで、友達に「ひょっとして耳が聞こえてないんじゃないの?」と指摘されました。
病院に行ってみたら、耳が片方聞こえなくなっていました。ストレス性の難聴ということでした。自分ではそんなにストレスだとは思っていなかったんですけどね。

どうしようと思いました?

上司は忙しいので気軽に相談もできず、「身体がきついので休ませてください」とか「検査に行きたい」とも言えませんでした。ある日、とうとう取引先の病院の先生に、「君、ちょっとおかしいよ」と指摘されてしまいました。
「いちど心療内科で検査を受けてみたら。簡単に終わるから」と紹介状を書いていただき、「上司に言わないとダメだよ」って言われて、「実は...」って上司に話したら、「今すぐ病院に行って来い!」と言われました。
診断は鬱病でした。上司に「とにかく何日間か休め」って言われて、お休みをいただきました。その頃は、もう全然寝られなくてご飯もほとんど受け付けなくなっていました。

どうやって治したの?

処方箋をもらって薬を飲んで、自宅療養していました。しばらく休んでいざ出勤となり、部屋を出ようとした途端にもどしてしまい、会社に行かないといけないのに行けなくなりました。そこからまた、症状がどんどん悪化していき...。
上司は心配して電話をくださるんですが、電話に出た瞬間にもどしちゃうので、電話にも出られなくなり、「とりあえず病院だけは頑張って通え」と上司に言われて、病院に行こうとするのですが、今度は人ごみや外に出るのが怖くなってきました。
普通に行けば病院は30分で着くのに、電車に乗るだけで息苦しくなってもどしそうになるので、途中で降りて落ち着くまで待って、また乗ってまた降りての繰り返しで、病院に着くまで2時間半もかかっていました。

寮で何を考えていました?

「このままじゃ教員になる夢もかなえられないな...」とか、「社会を知るのはいいけれど、身体を壊してまでしたかったのか?」とかいろいろ考えました。
12月いっぱいはそんな感じで、年末に実家に帰って、自分の状態を親に話しました。親は「もう辞めたら?」って言ってくれました。「そっか。辞めていいんだ」と思ったら、少し気が楽になりました。
年始始めも体調が悪くてけっきょく出社できなくて、上司が忙しい間をぬって寮まで来ていただきました。そこで「辞めさせてください」とお話しして、1月中旬に退社することが決まりました。本当は退社時点で寮を出なくてはいけないんですが、上司が掛け合ってくださって1月いっぱいまではいられることになりました。
辞める手続きをしてから症状が少しずつ落ち着いてきて、寝られるようにもなってきました。

これからどうしようと思いました?

「実家に戻ろう」とも思ったのですが、「もうちょっとだけ、東京で頑張ってみよう」と思い返して、次に住む場所を探しました。「今度住むなら、地元の雰囲気に近い、海が見えるようなところがいい」と思いました。
今、横浜のはずれに住んでいます。物件を見に行く時に、不動産屋さんに「坂がすごいですけど、いいですか?」って何度も念を押されました。不動産屋さんの車に乗せられて、部屋に着いて窓を開けたら、すっごい景色が良くて、「あっ、ここにしよ!」って思いました。
実際に引っ越してみたら、駅から10分くらいですが、毎日坂を登って帰るのが大変です(笑)。海までは見えないんですけど、眺めがいいので気にいっています。

辛い仕事をしたかったという、それだけはたっぷり味わいましたね。

その目標はホントに達成しました(笑)。でも前の会社の上司や先輩には、ご心配やご迷惑をおかけしてしまいました。やっぱりスポーツしていたので、頑張りすぎちゃうんですよね。それを、今いちばん思います。

次の仕事はどうやって探したの?

住むところを決めて、「もうこの勢いでどんどんやろう」と思って、すぐに転職活動を始めました。さすがに営業はもう考えてなくて、9時5時のデスクワークの仕事で探しました。「今度は休みがきちんとあって絶対に身体を壊さないところがいい」と思いました。
実は今の会社の前にもう1社受けました。それもサイトの仕事で、女性からの相談にウェブ上で答える人生相談みたいなものでした。自分も会社で相談できる相手がいなくて困ったのもあって、「やってみたい」と思いました。
でも、面接で「自分が経験してない恋愛の相談をされたら、あなたはどう答えますか?」って質問され...。「あなたにはまだ人生経験が足りない」って言われて、「確かにそうだよな」と思いました。それで、今の会社に決まって、結局また営業をやっています。

これからどうしていきたいですか?

今の仕事で、「スポーツ女子に対してどんなことが出来るのか」って考えています。学生のみなさんには、私のような体験をしてほしくないので、私の経験が少しでも他の学生の役に立てればと思っています。やりたいことが決まってない学生には、少しでも興味があるところに行けるような情報発信をしたいですね。
スポーツ女子は目標が見えれば頑張れるというか、粘り強く努力する人が多いので、そこを明確化してあげられればと思います。仕事のゴールがわからずに働いていたり、自分がやっていることが何に繋がっているのかわからないまま働いていると、ストレスもたまりますから。

教員じゃなくても進路指導的なことができるんですね。

そういう意味ではこの仕事に巡り会えたのは嬉しいです。

体育系の学生は学生時代はスポーツをすることが目的だから、スポーツがなくなったら視界が360度に広がっちゃうよね。

私は1社目の経験があって、始めて「自分がやりたかったことってなんだろう?」って真剣に考えました。就職ゼミを受けたりしてある程度業界のことを知っていればいいけど、スポーツに専念してる学生たちは何もない状態で就職活動をしないといけないので、本当に大変だと思います。
つい「誰かに勧められたから」とか身の回りのことで決めがちになってしまい、働き始めてから「なんでこの仕事に決めちゃったんだろう?」とか、「何のためにやってるかわからない」となってしまったり...。

何のためにやってるかわからなくなるのは、自分がやってることを好きになれないとか、肯定的に考えられないからじゃないかな?好きだったら「好きだからやっている」って思えるよね。好きなことを仕事にしちゃうと、好きじゃなくなったりすることもあるけど(笑)。利益追及のために仕事することに意識がスイッチできなくて悩んだりね。

そういう意味では、学生の仕事に対する意識の変化も求められますよね。私も会社から言われている目標もありますし、やっぱり会社は売り上げや利益を出してなんぼだと思うんで。

弓野さんが教員になったら、進路指導で大きな力になれそうですね。

学校の教育現場の進路指導に社会経験を入れて行くのもありなのかなと思いますね。でも今は、いろんなことが知れるのでもうちょっとこの仕事を続けてみたいです。もっとこのサイトが必要とされるものになったらいいなと思っています。
でもいつかは教員になりたいとも思っています。実際に学校で働いている友人や先輩のお話を聞くと、やっぱりいい仕事だなと思うし。

教員採用試験自体は何歳になっても受けられるんですか?

教員免許を取得して10年で更新しないと受験資格がなくなるので、32歳までが一つの目処ですね。そこまでは悩むと思います。ただ体育の先生って、部活動とかもあるので年齢のことを考えると悩みますよね。

ところで今日取材を受けるのは、会社の人は知っているの?

上司に伝えたら「インタビューされる立場も経験したほうがいいから行ってこい!それが卒業生としての役目でしょ」って言ってくださって。学生たちの役に立てるならと思って来ました。

今日は貴重なお話をありがとうございました。